集計したデータをCSVでダウンロードするには?

著者名: KADOYA Ryo (External link) (サイボウズ)

目次

はじめに

kintoneにはデータをCSV形式でダウンロードする機能があります。
通常の場合これで十分なのですが、場合によってはアプリをまたがるデータを集計したり、kintone.proxy()を使って他のサービスから取得したデータをダウンロードしたいことがあります。

ここは、kintoneカスタマイズを使って、CSVファイルをダウンロードするテクニックを紹介します。
このサンプルでは単純に、column1、column2というフィールドをもったレコードをCSVに出力していますが、このテクニックを応用することで、kintoneで扱えるどんなデータでもファイルに出力できます。

サンプルプログラム

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/*
 * Download aggregated data as csv sample program
 * Copyright (c) 2014 Cybozu
 *
 * Licensed under the MIT License
 * https://opensource.org/license/mit/
 */

(function() {
  'use strict';

  // 一覧ビューの表示イベント
  kintone.events.on('app.record.index.show', (events) => {

    let $link = $('#download-csv');
    if ($link.length === 0) {
      // ヘッダにリンクを作成
      const $header = $(kintone.app.getHeaderMenuSpaceElement());
      $link = $('<a id="download-csv" href="#">CSVでダウンロード</a>');
      $header.append($link);
    }

    // エスケープ
    const escapeStr = function(value) {
      return '"' + (value ? value.replace(/"/g, '""') : '') + '"';
    };

    if ((window.URL || window.webkitURL).createObjectURL == null) {
      // サポートされていないブラウザ
      return;
    }

    // CSVデータを作成
    const csv = [];
    let row = ['ID', 'column1', 'column2'];
    csv.push(row);
    for (let i = 0; i < events.records.length; i++) {
      const record = events.records[i];
      row = [];
      row.push(escapeStr(record['レコード番号'].value));
      row.push(escapeStr(record.column1.value));
      row.push(escapeStr(record.column2.value));
      csv.push(row);
    }

    // BOM付でダウンロード
    const csvbuf = csv.map((e) =>{
      return e.join(',');
    }).join('\r\n');

    const bom = new Uint8Array([0xEF, 0xBB, 0xBF]);
    const blob = new Blob([bom, csvbuf], {type: 'text/csv'});

    const url = (window.URL || window.webkitURL).createObjectURL(blob);

    const fileName = 'download.csv';
    if (window.navigator.msSaveOrOpenBlob) {
      // for IE
      $link.unbind();
      $link.click(() => {
        const retVal = window.navigator.msSaveOrOpenBlob(blob, fileName);
      });
    } else {
      $link.attr('download', fileName);
      $link.attr('href', url);
    }
  });
})();

適用手順

このサンプルはjQueryを読み込む必要があるので、jQueryライブラリとサンプルプログラムを順番に指定します。

  • まずは、 Cybozu CDN からjQueryライブラリを指定します。
    アプリの設定画面から「JavaScript / CSSによるカスタマイズ」を開き、「PC用のJavaScriptファイル」にURL指定で次のURLを指定します。
    https://js.cybozu.com/jquery/3.7.1/jquery.min.js
  • 指定したライブラリの下に、今回の「サンプルプログラム」のファイルを追加します。
    サンプルプログラム 部分のコードをエディターにコピーして、ファイル名を「sample.js」、文字コードを「UTF-8」、BOMなしで保存します。
    ファイル名は任意ですが、ファイルの拡張子は「js」にしてください。

解説

Url生成メソッド

このサンプルでは、window.URL.createObjectUrlメソッドを利用してBlobオブジェクトのダウンロードURLを生成しています。
window.URL.createObjectUrlの説明やサポートブラウザーについては MDNのドキュメント (External link) を参照してください。

文字エンコーディング

kintoneではUTF-8の文字エンコーディングが使用されています。
UTF-8で出力したCSVファイルをそのままではExcelで開けないので、ファイルの先頭にBOM(Byte Order Mark)を付けることで、Excelで開けるようにしています。

もしどうしてもShift-JISで出力したい場合は、外部ライブラリを利用することでエンコーディングを変換できます。
ここではぽりごん氏作の encoding.js (External link) (MIT or GPL v2 licenses)を利用した例を紹介します。

encoding.js

encoding.jsはぽりごん氏によりオープンソースで提供されているライブラリです。
自己責任で利用してください。

47行目から54行目を以下のように編集してください。

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// 文字列を配列に
const str2array = function(str) {
  const array = [];
  let i;
  const il = str.length;
  for (i = 0; i < il; i++) array.push(str.charCodeAt(i));
  return array;
};

// SJISの配列に変換
const csvbuf = csv.map((e) =>{
  return e.join(',');
}).join('\r\n');

const array = str2array(csvbuf);
const sjis_array = Encoding.convert(array, 'SJIS', 'UNICODE');
const uint8_array = new Uint8Array(sjis_array);
const blob = new Blob([uint8_array], {type: 'text/csv'});

const url = (window.URL || window.webkitURL).createObjectURL(blob);

おわりに

上記のテクニックを使うことで、お手軽にファイルのダウンロードをカスタマイズで実現できます。
ぜひお試しください。

information

このTipsは、2014年4月版kintoneで動作を確認しています。