ガルーンポータル活用Tips #1「行き先案内板」
はじめに
今回は、大企業向けグループウェア「サイボウズGaroon」のポータル活用企画として、「行き先案内板」を作成していきたいと思います。
完成図
自由に必要な情報を配置できる「HTMLポートレット」ですが、配置しているリンクが年度ごとに変わったりする場合htmlを直接編集する手動のメンテナンスが発生します。
担当者が気付かずに放置してしまい、しまいには使われないゾンビポータルと化す前に、サクッと情報を更新できるポートレットを今回は作っていきます。
HTMLポートレット
バックエンドで使うのは…そう、kintoneです。
kintoneでリソースを管理することで、Garoonのシステム管理権限をもっていなくても配置するリソースを変えることができます。
つまり、ポータルで発信したい情報を担当部署の担当者の作業だけで変更でき、メンテナンスのコストを下げることができます。
それではkintoneに表示するリソースを保管して、Garoonのポートレットに表示させる小技を披露していきたいと思います。
kintoneを介せずGaroon完結で同様のポータルを作る方法については Garoonポータル 行き先案内板(簡易版) を参照してください。
リソースの準備
ポートレットに動的に表示するコンテンツは、kintone側でレコードとして保存して使いますが、今回作成するサンプルでは、各パーツで表示する画像ファイルがいくつかあります。
今回画像ファイルの置き場として、Garoonの「ファイル管理」にファイルを保存して使っていきたいと思います。
では、ファイル管理を使ってリソースの準備をしていきたいと思います。
画像の準備
- 今回使う画像ファイル類は以下のzipファイルよりダウンロードしてください。
garoon-portal1.zip - 分かりやすくするため、ファイル管理にポートレット用のフォルダーを作成します。今回は「kinポータル用画像」とします。
- ページのヘッダー用画像、各boxの吹き出し用画像、各boxのフッター用画像、ページのフッター用画像を「kinポータル用画像」に保存します。
CSSファイルの準備
次にレイアウト調整用ファイル「main.css」を作成します。
- CSSサンプルコード を参考に、「main.css」を作成してください。 文字コードは「UTF-8」で保存します。
- ファイル管理の一覧画面で、さきほど保存した以下のファイルのダウンロードアイコンから画像のアドレス情報をひとつずつコピーします。
- 「bg_header.png」
- 「bg_box_footer.png」
- 「bg_lead_red.png」
- 「bg_lead_yellow.png」
- 「bg_lead_green.png」
- 「bg_lead_purple.png」
- 「bg_lead_turquoise.png」
- 「bg_lead_blue.png」
- 「main.css」の
/*画像パスの変更*/部分のXXXを含むリンクをコピーしたリンク(「/g」以降の部分)で書き換えます。
CSSサンプルコード
|
|
JavaScriptファイル
最後にkintoneとの連携用のJavaScriptファイル「kinGrIntegration.js」を作成します。
JavaScriptサンプルコード
を参考に、「kinGrIntegration.js」を作成します。
文字コードは「UTF-8」でファイル管理に保存します。
JavaScriptサンプルコード
の以下の項目は環境に応じて書き換えてください。
- 11行目
APP_ID: リソース保管用アプリの作成 で作成したアプリのアプリID - 12行目
REC_ID: レコードの登録 で登録したレコードのレコード番号
JavaScriptサンプルコード
|
|
Garoonポートレットの準備
ポートレットのHTML
今回使うポートレットを作成していきます。
下記は、ヘッダー部分、kintoneからのデータ表示部分とフッター部分を作成するポートレットです。
|
|
JavaScriptファイルとCSSファイルのアップロード
JavaScript / CSSによるカスタマイズから「kinGrIntegration.js」と「main.css」をアップロードします。
ポータルに配置
ポートレットを作成したら、ポータルに配置しましょう。
ポータルに配置したら公開設定を行います。
kintoneアプリの準備
リソース保管用アプリの作成
Garoonのポータルに表示させるためのリソース保管用アプリを作成します。
kintoneアプリのフィールドは以下のように配置します。
リソース用のフィールドはすべてテーブル化していきます。
| フィールドタイプ | フィールド名 | フィールドコード | 備考 |
|---|---|---|---|
| 文字列(1行) | ポートレット名 | port_name | 任意(配置しなくても連携に影響しません) |
| 文字列(1行) | タイトル | gr_title | |
| 文字列(1行) | サブタイトル | sub_title | |
| テーブル | ポートレット用リソース | S_TABLE | 以下のフィールドをテーブルに含める
|
| ドロップダウン | 色 | color | S_TABLEに含める 項目と順番
|
| 文字列(1行) | 吹き出し | comment | S_TABLEに含める |
| 文字列(1行) | パーツタイトル | title | S_TABLEに含める |
| 文字列(1行) | パーツフッター | footer | S_TABLEに含める |
| 文字列(複数行) | パーツサブタイトル | title_sub | S_TABLEに含める |
| リンク | リンク | link | S_TABLEに含める 入力値の種類:Webサイトのアドレス |
| 添付ファイル | 画像 | img | S_TABLEに含める |
作成したアプリのキャプチャ
2016年の5月のアップデートにより、認証方式の評価順が変更されます。
2016/05/08の定期メンテナンスにおけるkintone API、User API更新情報
.
cybozu.com環境内からのアクセスの場合、本記事内のセッション認証よりもAPIトークン認証が優先されるため、上記のアップデート以降はAPIトークンを発行して使用してください。
レコードの登録
kintoneにレコードを登録します。
動作確認
作成したGaroonポータルにkintoneで登録した情報が表示されたら成功です!
さいごに
今回のGaroonポートレット活用はいかがでしょうか?ぜひ、自社の環境で使えるかトライしてみてください。
まだまだ活用できるシーンがありそうなので、今後もTipsを定期的に公開していきたいと思います。
関連ページ
更新履歴
- 2020/02/19
jQueryの追加手順およびjQuery.noConflict(true)を使うようにコードを修正 - 2024/03/25
- jQueryを使わないようにコードを修正
- JavaScriptとCSSファイルをファイル管理にアップロードする方法から、ポータルの「JavaScript / CSSによるカスタマイズ」を使用する方法に変更
このTipsは、2024年3月版Garoonで動作を確認しています。
