前回は、レコードの画面に任意のテキストを表示するカスタマイズを通して、kintoneイベントの使い方やkintoneのレコード画面にテキストを表示する方法を学びました。
今回は、次のことを学びます。
- 複数のイベントで同じ処理を実行する方法
- 条件によってフィールドの表示/非表示を切り替える方法
カスタマイズを適用するアプリ
次のフィールドを配置したアプリを作成します。
フィールド名 | フィールドタイプ | フィールドコード | 備考 |
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入金ステータス | ラジオボタン | 入金ステータス | 次の選択肢を設定する
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入金日 | 日付 | 入金日 | |
入金確認者 | ユーザー選択 | 入金確認者 |
フィールドの表示/非表示を切り替える
ラジオボタンの値に応じてフィールドの表示/非表示を切り替えてみましょう。
実装するのは、「入金ステータス」に応じて「入金日」と「入金確認者」のフィールドの表示/非表示を切り替えるカスタマイズです。
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動作イメージ
このカスタマイズを適用すると、レコード追加画面と編集画面で、「入金ステータス」が確認済のときに「入金日」「入金確認者」が非表示になります。
ソースコードの解説
このカスタマイズのポイントは次の3つです。
- イベントを複数指定する。
- 表示されているレコードの情報を取得する。
- フィールドの表示/非表示を切り替える。
イベントを複数指定する
このカスタマイズでは、ユーザーが次の4つの操作のいずれかを行ったとき、処理を実行します。
- レコード追加画面を表示したとき
- レコード編集画面を表示したとき
- レコード追加画面で「入金ステータス」の値を変更したとき
- レコード編集画面で「入金ステータス」の値を変更したとき
複数のイベントで同じ処理を実行したい場合には、kintone.events.on()
の第1引数に配列でイベントタイプを指定します。
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表示されているレコードの情報を取得する
表示されているレコードの情報は、kintone.events.on()
の第1引数、つまりevent
という変数に入っています。
このevent
のことを、イベントオブジェクトと呼びます。
レコードの情報は、イベントオプジェクトのrecord
プロパティに格納されており、event.record
で取得します。
各フィールドの値はevent.record['フィールドコード'].value
で取得できます。
したがって「入金ステータス」の値はevent.record['入金ステータス'].value
で取得できます。
今回、フィールドコードはstatusFieldCode
という変数に代入しているため、statusFieldCode
を使って取得します。
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まとめ
フィールドの表示/非表示を切り替えるには、kintone.app.record.setFieldShown()
というAPIを使うと実現できることを学びました。
また、イベントタイプを配列形式で指定すると、複数のイベントで同じ処理を実行できます。
レコード追加画面と編集画面では同じ処理を実行したいケースも多いため、配列で指定する方法を覚えておくと便利です。
次回は、 フィールドの編集可/編集不可を切り替えてみようを学びます。