kintone Java Client
はじめに
kintone Java Clientは、kintone REST APIをJavaプログラムから使う際に必要な処理をまとめたライブラリです。
kintoneで利用できる次のREST APIのほとんどを網羅しています。
kintone REST API
kintone Java Clientを使うと、用意されたメソッドを呼び出すだけでkintone REST APIを実行できるので、コードの記述量を減らすことができます。
また、IntelliJなどのIDEを利用すると、コードの補完ができます。
この記事では、kintone Java Clientの導入方法や基本的な使い方について説明します。
kintone Java Clientが提供するメソッドの使い方の例は、次のページを参照してください。
kintone Java Clientのサンプルコード集
GitHub
ライセンス
制限事項
Androidには対応していません。
ドキュメント
https://kintone.github.io/kintone-java-client/javadoc/
導入方法
Gradleプロジェクトの場合
build.gradleに次の内容を追記します。
2行目の : 以降で指定するバージョンは、利用するkintone Java Clientのバージョンを指定してください。
|
|
Mavenプロジェクトの場合
pom.xmlに次の内容を追記します。
4行目のversionは、利用するkintone Java Clientのバージョンを指定してください。
|
|
Quickstart
kintoneのレコードを取得し、取得した内容をコンソールに出力する例です。
Gradleプロジェクトの場合
Step1:kintoneアプリの準備
-
文字列(1行)フィールドを追加し、kintoneアプリを作成します。
-
作成したアプリでAPIトークンを生成します。
手順の詳細は、次のページを参照してください。
APIトークンを生成する -
作成したアプリのURLで、アプリIDを確認します。
URLのhttps://sample.cybozu.com/k/123の末尾の数字部分が、アプリIDです。
上記の場合、アプリIDは、「123」です。 -
テストデータとして、1件のレコードを追加します。
-
作成したレコードのURLで、レコードIDを確認します。
URLのhttps://sample.cybozu.com/k/123/show#record=1のrecord=の後の数字部分が、レコードIDです。
上記の場合、レコードIDは、「1」です。
Step2:サンプルコードの作成
次の内容で、ファイル名がApp.javaのファイルを作成します。次の内容は、環境に応じて書き換えてください。
- 10行目: ドメイン名
- 11行目: 作成したアプリのAPIトークン
- 12行目: 作成したアプリのアプリID
- 13行目: 追加したテストデータのレコードID
実際のプログラムでは、ドメイン名や認証情報などのハードコーディングを避け、Javaプロパティファイルなどに定義して読み込むようにしてください。
サンプルのため、例外処理を省略しています。
実際のプログラムでは、適切にエラーハンドリングしてください。
|
|
次の内容で、ファイル名がbuild.gradleのファイルを作成します。
|
|
次の構成で、App.javaとbuild.gradleを配置します。
|
|
Step3:コンパイル
「sample」ディレクトリで次のコマンドを実行します。
|
|
「build」の「libs」ディレクトリの下にsample-all.jarが生成されます。
Step4:動作確認
次のコマンドを実行します。
|
|
次の結果が出力されれば、成功です。
|
|
Mavenプロジェクトの場合
Step1:kintoneアプリの準備
-
文字列(1行)フィールドを追加し、kintoneアプリを作成します。
-
作成したアプリでAPIトークンを生成します。 手順の詳細は、次のページを参照してください。
APIトークンを生成する -
作成したアプリのURLで、アプリIDを確認します。
URLのhttps://sample.cybozu.com/k/123の末尾の数字部分が、アプリIDです。
上記の場合、アプリIDは、「123」です。 -
テストデータとして、1件のレコードを追加します。
-
作成したレコードのURLで、レコードIDを確認します。
URLのhttps://sample.cybozu.com/k/123/show#record=1のrecord=の後の数字部分が、レコードIDです。
上記の場合、レコードIDは、「1」です。
Step2:サンプルコードの作成
「Gradleプロジェクトの場合 - Step2: サンプルコードの作成」と同様に、App.javaを作成します。
次の内容で、ファイル名がpom.xmlのファイルを作成します。
|
|
次の構成で、App.javaとpom.xmlを配置します。
|
|
Step3:コンパイル
「sample」ディレクトリで次のコマンドを実行します。
|
|
「target」ディレクトリの下にsample-kintone-java-client-0.0.1-SNAPSHOT-jar-with-dependencies.jarが生成されます。
Step4:動作確認
次のコマンドを実行します。
|
|
次の結果が出力されれば、成功です。
|
|
補足事項
本Clientによるkintoneの操作
本Clientによるkintoneの操作は、次の手順で行います。
Step1:kintoneクライアントを生成する
KintoneClientBuilderを利用して、kintoneClientを生成します。
このとき、認証情報を設定します。
詳細は、次のページを参照してください。
認証について
クローズ処理
kintoneClientは内部でHTTPコネクションを保有しています。
処理が終わってkintoneClientの役目が終わったら、close()メソッドを呼び出し、クローズ処理を行ってください。
その他
KintoneClientBuilderでは、コネクションタイムアウトやプロキシ設定など、さまざまな項目を設定できます。setAppendixUserAgent()メソッドによってUser-Agentに追記する文字列を入れることもできます。
プログラム名や、処理内容を識別できる値を設定しておくと、今後、性能問題などが発生した場合にサイボウズ側でも調査しやすくなり、よりスピーディに問題解決できる場合があります。
ぜひご活用ください
Step2:操作対象のクライアントを取得する
kintoneClientを生成したら、操作したい対象のクライアントを取得します。
操作対象は次のとおりです。
この例では、getkintoneClient() というkintoneClientを取得するメソッドがあるものとします。
|
|
上記コードでは、処理が終わったときに自動でkintoneClient#close()メソッドが呼び出されるようtry-with-resourcesを用いています。
特別な事情のない限り、処理が終わった際にはtry-with-resourcesを利用してください。
close()メソッドが正しく呼び出されます。
Step3:メソッドを呼び出し、kintoneを操作する
操作対象のクライアントを生成したら、操作メソッドを呼び出します。
kintoneを操作するには、kintone REST APIの各APIに対応するメソッドへ、リクエストクラスを渡します。
一部のメソッドには、それらをラップしたより簡便なメソッドも用意されています。
方法1:各APIに対応するメソッドにリクエストクラスを渡して、kintoneを操作する
「API名 + Request」というリクエストクラスを操作対象のクライアントに渡すと、「API名 + ResponseBody」というレスポンスクラスのインスタンスを取得できます。
下記は、1件のレコードを取得するAPIの例です。
- リクエストクラス:
GetRecordRequest - レスポンスクラス:
GetRecordResponseBody
|
|
方法2:より簡便に利用できるメソッドを利用して、kintoneを操作する
getRecordメソッドには、より簡便に利用できるメソッドがあります。これを利用すると、前述の処理を次のように書くことができます。
|
|
認証について
本Clientでは、次の認証方法に対応しています。
kintoneのURLと認証情報以外の設定する項目がない場合、defaultClientメソッドを使うと簡略的にkintoneClientを生成できます。
パスワード認証
|
|
APIトークン認証
|
|
セキュリティ設定を行った環境
クライアント証明書やBasic認証情報も設定できます。
Basic認証を設定している環境
|
|
セキュアアクセスを設定している環境
|
|
おわりに
kintone Java Clientを利用すると、Javaによるバッチプログラムやモバイルアプリの開発において、kintone REST APIの実行を楽に実現できます。
kintone Java Clientの利用方法は、次のページも参照してください。
kintone Java Clientのサンプルコード集
更新情報
ライブラリのアップデート情報は、次のページを参照してください。
ライブラリのReleases
- 2020年6月1日:「導入方法」で、ローカルのjarファイルを利用する方法から、セントラルリポジトリを利用する方法に修正
この記事で紹介しているサンプルコードは、2025年9月版kintoneおよびkintone Java Client v2.4.0で動作を確認しています。
