連携コネクタの「繰り返し」アクションの使い方
はじめに
連携コネクタには、「繰り返し」や「条件分岐」をはじめ、データの変換や整形など、連携を便利にする機能があります。
それらを使いこなすことで、より高度な連携を実現できます。
kintoneアプリのテーブルの各行や、一括取得した複数のレコードなど、複数件のデータに同じ処理をしたいときは、繰り返しアクションを使います。
繰り返しを使わずに、出力データからテーブルの値を選ぶと、1行目や2行目など決まった行の値しか扱えません。
行数が変わるデータをすべて処理するには、繰り返しを使います。
本記事では、「kintoneの議事録アプリからタスクアプリへ自動で転記する」シナリオ例をもとに、繰り返しの使い方と、ステップ消費数の考え方を紹介します。
繰り返しアクションとは
繰り返しアクションは、前のステップで取得した複数件のデータを、1件ずつ順番に処理する機能です。
繰り返しアクションを作成すると、繰り返しブロックが作成されます。
ブロックの中に作成したアクションが、繰り返し対象の件数だけ繰り返されます。
詳細は、次のページを参照してください。
一般コネクタ 繰り返し
シナリオを設計する
今回は「kintoneの議事録アプリからタスクアプリへ自動で転記する」シナリオを作成します。
「議事録アプリ」は、議題をテーブルへ登録して議論するためのアプリです。
議題ごとにタスクの担当者を決めます。
多くの会議に出席すると担当するタスクが増えるため、管理しやすいように「タスクアプリ」へ転記します。
手作業で転記すると手間がかかり、登録漏れも起きやすくなるため、連携コネクタを使って転記を自動化します。
「タスクアプリ」は、議題ごとに出たタスクを管理し、担当者が各自で確認するためのアプリです。
シナリオの完成イメージ
「議事録アプリ」で[議事録を登録]をクリックしてステータスを進めると、テーブルの議題が1件ずつ「タスクアプリ」へ転記されます。
シナリオ全体の流れは次のとおりです。
本記事では繰り返しの使い方を中心に紹介するため、アプリの作成手順とステップ1の設定は省略します。
プロセス管理のステータス変更を検知するイベントの設定は、次の記事を参照してください。
kintoneの通知をTeamsに送信する方法
繰り返しの使い方
繰り返しアクションは、次の手順で作成します。
- [アプリ選択]で「一般」をクリックします。
- [アクション選択]で「繰り返し」をクリックします。
[基本設定]には、次の3つの項目があります。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 繰り返し対象 | 繰り返すデータを選びます。前のステップで取得した配列または表データを指定します。 |
| エラー時に繰り返しをスキップ | エラー時の動作を選びます。「指定なし」「する」「しない」から選択します。 |
| ブロック | 繰り返したいアクションを作成します。 |
繰り返し対象
繰り返し対象に設定できる値は、繰り返しより前のステップで取得した「配列」または「表データ」です。
配列とは、同じ種類の値を順番に並べたデータです。
kintoneでは、テーブルやユーザー選択などのフィールド値が配列です。
表データとは、シナリオの中で複数のデータを表の形で扱うためのデータ構造です。
詳細は、次のページを参照してください。
表データ
繰り返し対象のリストには、前のステップで取得した配列が表示されます。
今回のシナリオでは、議題がテーブルに1行ずつ登録されているため、テーブルの配列"record" / "テーブル" / "value"を選びます。
次のJSONは、ステップ1で取得した議事録アプリのテーブルの例です。
"value": []が配列で、テーブルの行が1件ずつ入っています。
この例では行が2件あるため、繰り返しは2回実行されます。
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エラー時に繰り返しをスキップ
「エラー時に繰り返しをスキップ」では、次の3つから選択できます。
| 選択肢 | 説明 |
|---|---|
| 指定なし | 初期値です。「しない」と同じ動作です。繰り返し内でエラーになると、その時点でシナリオが停止します。 |
| する | エラーになったステップ以降のアクションをスキップし、次の繰り返しを実行します。シナリオの実行は続きます。 |
| しない | 繰り返し内でエラーになると、その時点でシナリオが停止します。 |
今回のシナリオでは、転記漏れに気付けるよう、エラーが起きた時点でシナリオを停止させます。
「指定なし」は「しない」と同じ動作のため、初期値の「指定なし」のままにします。
「エラー時に繰り返しをスキップ」の詳細は、次のページを参照してください。
一般コネクタ 繰り返し
ブロック
繰り返したいアクションは、繰り返しブロックの中に作成します。
[基本設定]で[ブロックを開く]をクリックすると、ブロックの中を編集できます。
ブロックの最初のステップには、「繰り返しの開始」が自動で作成されます。
今回のシナリオでは、ブロックの中に次の2ステップを作成します。
- (ステップ2.1)繰り返しの開始
- (ステップ2.2)レコードの追加
ブロック内で値を参照する
ブロックの中では、繰り返し中の1件分のデータを、「繰り返しの開始」の出力データitemとして参照できます。
今回のシナリオでは、itemにテーブルの1行分が入ります。
1回目の繰り返しでは1行目、2回目の繰り返しでは2行目が入ります。
次のJSONは、1回目の繰り返しでitemに入るデータの例です。
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このitemの値を使って、タスクアプリにレコードを追加します。
タスクアプリへ転記する値は、画面右側の出力データで、ステップ2.1「繰り返しの開始」のitemから次のように選択します。
| 設定項目 | 設定内容 |
|---|---|
| 担当者 | 繰り返しの開始 > item > value > 担当者 > value > 0 > code |
| タスク | 繰り返しの開始 > item > value > タスク > value |
| 締切 | 繰り返しの開始 > item > value > 締切 > value |
補足
転記先が「ユーザー選択」フィールドの場合は、codeの値を選んでください。
nameの値を選ぶと、転記先の値が空になります。
担当者が複数いる場合は、0(1人目)の値だけが転記されます。
ブロックの外で値を使う
ブロックの外のステップで取得した値は、ブロックの中から参照できます。
一方、ブロックの中で取得した値や作成した値は、ブロックの外のステップからは参照できません。
itemも、ブロックの外からは参照できません。
繰り返しのあとのステップで値を使う場合は、ブロックの中で値を別の場所へ保存します。
保存先には、「変換テーブル」や「Excel for the web」などを使います。
ブロックの中で1件ずつ書き出し、繰り返しのあとのステップでその保存先を読み取ります。
変換テーブルを保存先にしている例は、次の記事を参照してください。
kintoneのスケジュールをOutlookに登録する方法【複数出席者を1本のシナリオでまとめて連携】
繰り返しのネスト
繰り返しアクションはネストできます。
繰り返しのネストとは、繰り返しの内部に、さらに別の繰り返しを配置した構造です。
たとえば、複数のレコードを取得したあと、各レコードのテーブルも1行ずつ処理したい場合に使います。
外側の繰り返しでレコードを1件ずつ取り出し、内側の繰り返しでそのレコードのテーブルの行を処理します。
警告
ネストした繰り返しの中のステップは、「外側の件数」×「内側の件数」だけ実行されるため、ステップ消費数が大きく増える点に注意してください。
ステップ消費数
基本的なステップ消費
実行結果詳細の画面に表示される各ステップが、ステップ消費数としてカウントされます。
「繰り返し」と「繰り返しの開始」も、ステップ消費数としてカウントされます。
なお、シナリオの実行に失敗した場合は、途中まで実行が成功していても、ステップ消費数には加算されません。
課金対象となるステップの詳細は、次のページを参照してください。
課金対象となるステップについて
繰り返しを使ったステップ消費数の考え方
次の図は、今回のシナリオのステップ消費数の例です。
ステップ1とステップ2は、繰り返しの外の処理です。
ステップ2.1とステップ2.2は、繰り返しの中の処理です。
繰り返した回数だけ、繰り返しの中のステップが加算されます。
今回のシナリオでは、「議事録アプリ」の議題の数で繰り返し回数が決まります。
議題が2件の場合、ステップ消費数は2 + 2 × 2 = 6です。
議題が3件の場合、ステップ消費数は2 + 2 × 3 = 8です。
繰り返しを使ったシナリオのステップ消費数は、「繰り返しの外のステップ数 + 繰り返しの中のステップ数 × 繰り返し回数」で計算できます。
繰り返しの外のステップ数には「繰り返し」が、繰り返しの中のステップ数には「繰り返しの開始」が含まれます。
このように、あらかじめステップ消費数を想定してシナリオを作成してください。
繰り返しを使っている記事
繰り返しを使ったシナリオは、次の記事でも紹介しています。
各記事では、設定手順をステップごとに説明しています。シナリオを作成する際の参考にしてください。
- kintoneのスケジュールをOutlookに登録する方法【複数出席者を1本のシナリオでまとめて連携】
- kintoneの見積データをExcel for the webに自動転記して見積書を出力する方法【プロセス管理をトリガーに帳票を自動作成】
- Garoonのスケジュールを定期取得してkintoneに自動連携する方法【先月の予定を月初にまとめて工数管理に活用】
おわりに
本記事では、議事録アプリからタスクアプリへ自動で転記するシナリオ例をもとに、繰り返しの使い方と、ステップ消費数の考え方を紹介しました。
繰り返しアクションは、テーブルの各行や一括取得した複数のレコードなど、複数件のデータを扱う連携で活用できます。
繰り返しアクションを使いこなすことで、より高度な連携を実現できます。
ぜひ、実際の業務に取り入れてみてください。
このTipsは、2026年10月版kintoneで動作を確認しています。
